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こごみ堂ノオト☆vol.2 kogomidou.exblog.jp

ここちよいカラダ、ココロ、暮らし


by コゴミ
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ゆるやかな支配

こんにちは。
横浜・妙蓮寺「こごみ堂」 まえだです。

ゆるやかな支配_e0192203_1040436.jpg
ようやく観てきました。
「モンサントの不自然な食べもの」

すでにご覧になった方も多いかと思いますが、
アメリカを本拠地とする遺伝子組換作物市場の大手企業
「モンサント社」に関するドキュメンタリーです。


遺伝子組換作物による「効率的」な農業、
その作物に「よく効く」除草剤。
大量に作物をつくり、販売路を確保するという仕組み。

需要と供給のルートを自ら作り出しているところは
確かにスゴイと思います。

しかし、観ていて「うーん」と唸ってしまうんですね。

この人たちは、本当にこれをよかれと思ってやっているのだろうか、と。

パンフレットに
「世界の胃袋を握ること・・・
それがモンサントのビジネス戦略。」
という文字が書いてありました。

「胃袋を握られる」って、本当に大変なことだと思うのです。
人は、食べ物によって変わってきます。
それによって、健康になったり病気になったりというのももちろんのこと
「同じ釜の飯」を食べることで、つながりが深まるということもあります。
それに、気候や土地によっても本来は食べ物は異なるもの。

それが、画一化されるとしたら?

それは本当に「胃袋を握られ」、
ゆるやかに、その首謀者に「支配」されることにもつながるように思います。


映画の中でも、モンサントの大規模農場のそばの、ちいさい農家では、
流れてきた農薬による健康被害も出ているのに、対処はなされていないようでした。

自分の傘下に入っていないものは排除するか、
「それがいやならこちらへ来たら?(そうしたら「守るよ」)」という誘惑をちらつかせる。

甘い蜜をぶら下げて、耐えられるかどうかというのも
切実なところ。

それにしても、「遺伝子を組み換える」ってことは、
神にも等しい人智を超えた仕組みを操ってしまうということ
のように思います。

人がそこまで手を出していいのか、というのは
深く考える問題なのではないかと思います。

また、モンサント社は、かつては化学薬品の企業で枯葉剤を製造していた会社。

その悲劇がまた繰り返されるのではないかという恐ろしさもあります。


しかし、このような映画が作られ、上映され、たくさんの人が観るということは
それぞれに考える機会が得られるということ。

農業や食べ物、健康だけでなく、(広大な農地にされる)環境も含めて
これからどうしていこうか、何を選びたいか、どうしたいかなど
考えさせられる映画でした。
by kogomi_dou | 2013-01-09 11:17 | 本やART