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こごみ堂ノオト☆vol.2 kogomidou.exblog.jp

ここちよいカラダ、ココロ、暮らし


by コゴミ
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まだ先へいける

今、読んでいるのは『サバイバル登山家』(服部文祥 みすず書房 2006)。

サバイバル登山とは、食糧・装備などできるだけ持たず、
山の恵みを利用して行う登山のこと。

著者の服部は1969年横浜に生まれ。
公団で育ち、子供のころは虫取りや釣りをして遊ぶが、
とくに生きることに対して「不自由のない」世代。
「それが僕らの世代共通の漠然とした不安である。」
と服部は記す。

まさに同じ年に生まれ、埼玉の公団で育った自分も
おそらくそこに共通の思いを感じる。
(それだから、「民俗学」を学ぼうと思った経緯がある。)

冬の知床や黒部でで雪に降り込められたり、
食糧となる岩魚がなかなか連れずに焦ったり、
何度も「だめかもしれない」と「あと少しでも先へ行きたい」
という思いを交錯させる。

遊び・自己満足だけで、生死と向き合っているのかもしれない、
という思いも時には湧いてくるが、
そうすることが「生きる」ということを「生々しく」感じる行為なのだ。

ギリギリの状態を突破していくこと。
それが次につながるということ。


なんとなく最近「空回り感」がある自分にとって、
まだまだ追い込みが足りない、まだ行く先はある、
と思える1冊。

どこへ行くのか、何をするのかを考えつつ準備する、
また不測の事態に耐えうる精神力を持つということは
登山だけに限らない。

by kogomi_dou | 2011-07-04 10:19 | 本やART