2011年 09月 01日
着地点をどこにするか
『獣の奏者』探究編・完結編 上村菜穂子 講談社を読み終えました。
この2冊は、主人公エリンが成長し、母となってから繰り広げられる物語。
闘蛇編・王獣編で開いてしまった「扉」は、いよいよ戦へとつながってしまいます。
選択がどんどん狭まっていく中で、いかに最善をつくすか。
エリンだけでなく、真王(ヨジェ)や大公(アルハン)ほか
それぞれが悩みながらもそこを目指しているというところが
暗くなりがちな物語の中の救いです。
闘蛇の大量死の原因を探るエリンの手伝いを申し出たチムルの好奇心や
王獣アルを「姉ちゃん」と慕うエリンの息子ジェシの無鉄砲な行動力も
魅力的でした。
この物語自体は苦しいものですが、
幸せな瞬間がどこかであれば、それを頼りに生きようともがくこともできる、
たとえ死が隣合わせでも思いをつなげる努力をすることができる、
それがなにかの原動力になるのだという気がしました。
物語はハッピーエンドであるかはわかりませんが、
それぞれがやるべきことをし、それを受け継いでいった、という感じがありました。
「伝説」を背負ってきた人々の物語は
新たな物語をまたつむいでいくようです。
エリンの開けてしまった「扉」は、
閉じられるのではなく、年月をかけて解き放たれたのだと思えるラストでした。
この2冊は、主人公エリンが成長し、母となってから繰り広げられる物語。
闘蛇編・王獣編で開いてしまった「扉」は、いよいよ戦へとつながってしまいます。
選択がどんどん狭まっていく中で、いかに最善をつくすか。
エリンだけでなく、真王(ヨジェ)や大公(アルハン)ほか
それぞれが悩みながらもそこを目指しているというところが
暗くなりがちな物語の中の救いです。
闘蛇の大量死の原因を探るエリンの手伝いを申し出たチムルの好奇心や
王獣アルを「姉ちゃん」と慕うエリンの息子ジェシの無鉄砲な行動力も
魅力的でした。
この物語自体は苦しいものですが、
幸せな瞬間がどこかであれば、それを頼りに生きようともがくこともできる、
たとえ死が隣合わせでも思いをつなげる努力をすることができる、
それがなにかの原動力になるのだという気がしました。
物語はハッピーエンドであるかはわかりませんが、
それぞれがやるべきことをし、それを受け継いでいった、という感じがありました。
「伝説」を背負ってきた人々の物語は
新たな物語をまたつむいでいくようです。
エリンの開けてしまった「扉」は、
閉じられるのではなく、年月をかけて解き放たれたのだと思えるラストでした。
by kogomi_dou
| 2011-09-01 22:18
| 本やART